令和2年第3回定例会一般質問


区議会公明党の中沢ふみおです。

会派を代表して一般質問をさせて頂きます。

 

始めに、新型コロナウイルスに、罹患された方々に謹んでお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

また、医療に従事されている皆さま、エッセンシャルワーカーの皆さまに、深く感謝を申し上げます。

 

コロナ禍の中、公明党区議団として、永寿総合病院の入院患者、病院関係者、地域住民の命と医療体制を守るための要望を厚生大臣、東京都知事宛 に提出。

一方で、台東区に対し、1月29日より計8回およそ100項目にわたり、緊急要望書を提出させて頂きました、

中でも今定例会、区長発言の、「妊婦等応援特別給付金」の支給は、公明党区議団で緊急要望をしておりました。実現に対し、高く評価致します。

 

私からは、ポストコロナの時代に向け、大きく6点お伺い致します。

区長には是非とも前向きな答弁を宜しくお願い致します。

それでは質問に入ります。

【質問】

最初に、行政手続きのオンライン化についてお伺い致します。

新しい生活様式、ニューノーマルが言われている中、

行政手続きの簡素化に向けて、あらゆる申請が区役所に出向かなくても、電子申請また、オンライン申請でできるよう区役所のデジタル化が急務となっております。

さて、先日行われた、企画総務委員会では、キャッシュレス決済の導入について報告がありました、区民等の利便性向上と、コロナ禍の中、来庁機会の削減や接触機会の低減を実現し、新たな日常に対応すべく区役所業務の改革を一層推進するため、導入を加速化させる。としております。

台東区は現在、東京共同電子申請・届出サービスを活用しています。

このサービスは、自宅などの身近な場所からインターネットを通じて、時間を気にせずにいつでも行政手続きができて便利です。

この「電子申請・届出サービス」には「マイナンバーカード」は必要ありません。

現在申請可能な 主な手続きは、

「台東区スポーツボランティア登録申請」、「区民健診」などです。

また、電子申請のサービスとしては、「マイナンバーカード」を活用した「ぴったりサービス」も運用されています。

「特別定額給付金」の申請では8,399件、約6.8%の方のオンライン申請がありました。

手続きでは、入力の困難さ、問い合わせで来庁される方が集中、システムの不具合等ありましたが、「ぴったりサービス」のメニューも 順次増やしていくことも大切です。

電子申請・届出サービスに関して、キャッシュレス決済同様に、申請できるメニューを増やし、区民サービスの充実が重要と思います。

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

行政の手続きのオンライン化は、区民の利便性向上とともに、来庁機会の削減に繋がるため、新型コロナウイルス感染症対策として非常に重要であると、認識をしています。

現在は、法令等で 来庁が義務付けられていない手続きのうち、窓口での取扱件数などを勘案して、対応可能なものから、順次、拡充を図っているところです。

国においては、全省庁を挙げて行政のデジタル化を強力に推し進めています。

このような状況を踏まえ、区でも行政手続きのオンライン化を加速させ、新たな日常に対応した区役所業務の改革を着実に進めて参ります。
【質問】

次に、「防災ラジオ」の有償配布についてお伺い致します。

区では、平成30年度から本年度までの3年間をかけて、固定系防災行政無線のデジタル化整備工事を行いました。

屋外支局の新設や一部は遠くまで音が届くスピーカーに変更し、音の届く範囲を広げました。

それに伴い、令和3年4月よりデジタル化され、現在台東区から貸与されている「防災ラジオ」はAM/FMラジオの受信は出来ますが、防災行政無線は、受信出来なくなります。

ここで、災害時の防災情報発信の方法として、コミュニティFMを開局し、FM電波を使い、普通のラジオから 情報が得られる方法も大変に有効と思います。

昨今では、携帯端末の普及により、メールやアプリでの情報伝達が主流になっておりますが、ラジオは防災グッズでは必ずといって良いほどリストに入っております。この事もご検討頂ければと思います。

さて、デジタル化により、防災 行政無線が受信出来る「防災ラジオ」は、避難行動要支援者の非課税世帯などに、順次貸与される予定です。

防災行政無線で放送された情報は、電話による24時間365日利用可能な「自動電話応答サービス」、「たいとう防災気象情報メール」、防災アプリ「台東防災」から知ることが出来ます。

しかし、いまだに、よく聞こえない場所は 少なくありません。他の入手方法も、専用電話に電話をかける、またアプリやメールマガジンでは、携帯や端末を手にしなくては情報を見ることが出来ません。

「防災ラジオ」は、電源が入っている状態ならば、自動で受信し、情報を知ることが出来ます。

しかし 貸与対象者以外は 「防災ラジオ」を手にする事が出来ません。

必要な方に有償で配布を行っている自治体もあります。

「防災ラジオ」は重要な情報を 区民の方に早急にお知らせが出来る唯一の情報ツールです。特別な機種で、一般には購入できません。

そこで、必要とする方に「防災ラジオ」を有償配布してはいかがでしょうか、

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

議員ご指摘のとおり、周辺の建物環境などにより、防災行政無線の放送内容が聞き取りにくい場合があることは、私も認識をしています。

区では、放送内容を確認する手段として、区公式ホームページや自動電話応答サービスのほか、防災気象情報メールや防災アプリによる自動通知での情報発信を実施しています。

防災ラジオは、防災行政無線の代替手段の一つになり得ることから、区民のニーズや他の自治体での事例を踏まえ、有償で配布することを検討して参ります。

 

3点目に、水害対策について2点お伺い致します。

先日の環境・安全安心特別委員会の臨時会にて「台東区風水害対応方針」などの報告がありました。

また、広報たいとうの7月5日号1面、9月5日号の1・2面を使っての周知と取りまとめに対し、評価致します。

台東区の水害は、荒川氾濫と神田川氾濫、内水氾濫、土砂災害が考えられます。

先ずはそれぞれ「ハザードマップ」が用意されております、「ハザードマップ」にご自身の住んでいる場所にシールなどで、印をつけて頂き、浸水の状況を知って頂くことが大切です。

雨は地震と違い、天気予報により、例えば 台風がいつ頃接近し、風雨が強くなるのか、予想・予測を知ることが出来ます。

その場合、非常食や、常時服用している薬などの備えを 補充または購入することが出来ます。

このように、事前に 自身の避難行動を 時系列で、決めておくことを「マイ・タイムライン」といいます。

区内では、「東京マイ・タイムライン」を活用しモデル実施を行い、

今後、町会などで、進めていく事になっております。

小中学校においては、「東京マイ・タイムライン」の配布は既に行っており、各家庭に届いております。

そこで気になるのが、内水氾濫と荒川氾濫の違いです。

内水氾濫は、数時間で水が引き始めるため、2階以上に避難をする、荒川上流でも豪雨が続いている場合は、荒川氾濫が起こる可能性がありますので、警戒が必要になります。

荒川氾濫の場合、浸水した時は 2週間水が引かないことが考えられます。垂直避難をした場合、その場所から移動することが出来ず、孤立してしまい、救出または支援物資を届けることが非常に困難になります。

浸水してしまう地域に 取り残されてしまう方を最小限に抑えることが重要です。

そのためにも、早めに浸水区域 以外に避難をする事が必須です。

ではこの時の浸水区域 以外への避難はどこに行けば よいのでしょうか、という問題が考えられます。

国と都は平成30年度から「首都圏における大規模水害広域避難検討会」を立ち上げ、この問題に広域で 避難できる体制を整える 検討を始めました。

その後、昨年の台風19号での教訓も踏まえ、本年の5月に 中間報告書を取りまとめております。

検討会では、荒川氾濫の場合は、広範囲で浸水が発生し、数週間水が引かないことを 考慮すると、垂直ではなく、水平避難、または広域避難、

また事前に 親戚や知人宅に避難する 縁故避難等を検討しております。

しかし広域避難の場合 その方面に避難する方が集中し、

渋滞が発生する事、また公共交通機関の事前の運休決定など、新たな課題も見えてきました。

今回取りまとめを行った「台東区風水害対応方針」は、この国や都の

検討会または、「江東5区大規模水害広域避難計画」も注視しながら、方針を 策定していると思います。

広報たいとう9月5日号に掲載された、1面の水害時の避難場所や2面の避難フロー図は非常に良くまとまっております、今後様々な場面で周知をしていくべきと思います。

重要なことは 区民のお一人お一人が、「ハザードマップ」で お住いの場所や常にいる場所を確認、その場所の浸水状況はどうなのか、2階以上に在宅避難をするのか、もし避難する場合、自主避難場所・緊急避難場所はどこに向かえば良いのか、荒川氾濫が起きる可能性が ある場合は、浸水区域 以外のどこに向かえば良いのか、個人で、家族で「東京マイ・タイムライン」も活用しながら話し合いが出来るよう周知を行うことが 重要と思います。

また、昨年の第2回定例会で私が質問した、想定される浸水の様子を

まちなかで「見える化」していく、浸水深や避難所等に関する情報を

水害関連標識として 生活空間である「まちなか」に表示することにより、日ごろから 水害による防災の意識を 高めるとともに浸水深また避難所等の知識の普及を図り、発災時には命を守るための 住民の主体的な避難行動を促し、被害を 最小限にとどめることが出来る、想定浸水深の電信柱や区有施設への表示も是非早急に進めて頂きたく思います。

臨時会では、本年度中に「たいとう安全・安心ハンドブック」に

風水害を追加して全戸配布するとの報告は聞いております。

かねてから私が質問でお願いをしておりました、「防災ブック」の水害編に近い形で実現して頂き、高く評価致します。

今後は、「ハザードマップ」の更新時期などに合わせて、マイ・タイムライン作成キット、避難用具一覧、避難の際の服装などの情報もまとめた、風水害に特化した「たいとう風水害ブック」を作成していく事もご検討頂ければと思います。

以上のことを踏まえて、

【質問】

1点目に、様々な理由で 避難のタイミングが遅れた時に、命を守るためには 垂直避難も やむをえません。都営住宅は 垂直避難の覚書が されていると お聞きしております。

都営住宅以外にも、民間の建物も含め 必要と思います。

建物には「表示」をし、日常から認識出来るようにすることも

大切と思います。

垂直避難が出来る建物について、検討すべきと考えます。

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

荒川氾濫においては、まずは浸水区域外へ避難することが重要となります。

しかし、既に氾濫が発生し、生命、身体への危険が切迫している場合は、緊急避難として垂直避難を行うこともやむを得ない対応であると考えています。

既に覚書を締結している都営住宅の共用部分の活用に加え、今後は、平成30年度に実施した「マンション実態調査」の結果を参考に、民間の建物所有者と、緊急避難先としての活用及びその表示について、協議して参ります。

【質問】

2点目に、設置している備蓄の場所についてお伺い致します。

本年8月に会派で区内の避難所3カ所で、感染症対策や備蓄場所などの

視察を行いました。その中で、備蓄倉庫の土台部分にブロックを敷き、少し高くし、屋外で直射日光を浴びているような場所に 設置されている

備蓄倉庫もありました。

備蓄品の移動については、広いスペースが必要になり場所を探すのは非常に難しいとも 認識しています。

水害は予測ができるので、事前に移動を検討しているとは お聞きしておりますが、通常より高い場所、2階以上に備蓄することも再度検討すべきと考えます。

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

現在、備蓄については、浸水しない場所に設置するよう努めていますが、平常時の活用状況から、浸水のおそれがある場所に設置せざるを得ない施設も多くあります。

今後とも、施設の改修時などの機会を捉え、可能な限り、備蓄場所を浸水しない場所に移動して参ります。

【質問】

4点目にホテルや旅館等の民間施設も活用した避難所についてお伺い致します。

学校や区有施設を活用しての避難所・避難場所は指定されておりますが、避難所に多くの避難者が集まり、各避難所が 過密になることで感染を拡大させないよう、通常より多くの避難所を開設し、またそのためにも より多くの避難先を確保する必要があります。

その中、ホテルや旅館等の民間施設も活用し、妊産婦、高齢者や医療的ケアの必要な方も含めた障害児者の方が安心して避難できる避難スペースについて、どのように検討されているのでしょうか。

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

区では避難生活を送る上で、特に支援が必要な方に対する宿泊施設の提供に関し、区内でホテルや旅館を営む事業者の団体と「災害時における宿泊施設等の提供に関する協定」を締結いています。

現在、近年の災害状況を踏まえ、宿泊施設の活用に向け、団体と具体的な協力の手順について協議を進めているところです。

今後も、支援を必要とする方が災害時も安心して過ごせるよう、連携を深めて参ります。

【質問】

5点目に、基盤的防災情報流通ネットワークについてお伺いいたします。

SIP4D  基盤的防災情報流通ネットワークとは、内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム」の一環として、国立研究開発法人 防災科学 技術研究所と民間企業が、2014年より共同で研究開発を進めてきた、府省庁連携防災 情報共有システムです。

2019年3月の 開発期間 終了にともない 防災科研が運用を開始しています。

東日本大震災では災害対応する 各機関が保有するデータの情報共有に関して 課題が残りました。

例えば 医療支援において、DMAT(災害派遣医療チーム)が参集拠点に到着しても、どの病院がどのくらい被災しているのか、

受け入れはできるのかできないのか、そこに行くまでの道はどのようになっているのかなどの情報が 入手できないために 十分な支援活動が行えないという状況が 発生してしまいました。

後から分かったことですが、それらの情報は 存在しなかったわけではありませんでした。

残念ながら、当時はそれらの情報を 共有する手段がなく、また自分が保有する情報を 誰が求めているのかを知る方法もなかったそうです。

この基盤的防災情報流通ネットワークは、防災対応に必要とされる情報を 多様な情報源から収集し、利用しやすい形式に変換して迅速に配信する機能を備えた、組織を越えた防災情報の相互流通を担う基盤的ネットワークシステムです。

災害時には、様々な情報が、多数の組織から、異なる形式で発信されます。これらを集約し、必要としている組織がすぐ利用できる形式に加工・変換して提供する機能があります。

台東区においても、このような情報流通ネットワークを利用し、災害時に活用する事も大切と思います。

区長の所見をお伺い致します。

【区長答弁】

災害対応に係わる様々な情報を効率的に集約・共有し、効果的に活用していくことは、重要であると認識をしています。

議員ご提案のネットワークについては、国や東京都、他自治体での活用事例も踏まえ、区での活用について研究して参ります。

【質問】

現在、「超高齢化社会」、「少子高齢化」といった「高齢」をキーワードにした文章を頻繁に見かけ 気になります。

若い世代においても、親の介護で、自分自身が、高齢化を実感するなど、誰もが年を重ね、高齢者として生きていく自覚を持つように なってきていると思います。

しかし、一方で、「耳も年を取っていく」といった 自覚やその備えは、

不足しているのではないでしょうか。

独立行政法人国立長寿医療研究センターの調査では、65歳以上の高齢者の半数に 難聴があるとの推計値が出されています。

例えば、私たちの暮らしの中で、相手の名前を聞き間違えない、

呼び間違えないことは重要なことです。名前の受け答えからコミユニケーションがうまくいったり、あるいは気まずくなることもあります。

また難聴は、会話をしている時に聞き返すことがよくある。話し声が大きいと言われる。家族にテレビやラジオの音量が大きいと言われることがよくある等、簡単に聞こえのチェックをすることが出来ます。

難聴になると、会話によるコミュニケーションが困難になることから、人と接する機会が減ったり、閉じこもりがちになる傾向があります。

そのため、地域の中で 孤立してしまう可能性が高く、これらのことが、認知症の原因の一つであるといわれています。

聞こえを改善させ、これまでと同じように、コミニュ二ケーションをとることは、生活の質の向上にもつながり、認知症の予防に、大きな効果があると考えています。

しかしながら、補聴器などの「聞こえを改善する機器」の普及が、

なかなか進んでいないのも現実であります。

障害者総合支援法による給付を受けられる 重度難聴の高齢者を除き、軽度・中度難聴の高齢者の場合、補聴器は価格が高く、片耳あたり、概ね3万円から数十万円と高額で、保険適用ではないため、全額自己負担です。

また、専門医の診断のもと、補聴器の専門店にて、適切に 調整する必要があり、その後も聞こえの段階に合わせて、トレーニングや調整が必要になります。

加えて、補聴器によっては水濡れに弱いこと、頻繁な電池交換が必要であることなどがあり、高齢者が利用するには、ハードルが高いと考えられます。

そのため、まずは、聞こえの改善を実際に体感し、そして、聞こえに関する意識を持って頂くため、

安価で、地域の電気店などでも気軽に購入でき、ご自身や家族でも、簡単に調整可能な、集音器を含めた「聞こえを改善する機器」の普及が、有効ではないかと考えます。

現在、23区内では、10区で助成制度などが実施されています。

再度申し述べますが、加齢性難聴の高齢者が「聞こえを改善する機器」を利用することは、聞こえの低下による日常生活の不便が解消され、生活の質が向上します。

また、コミュニケーションの改善等によって、閉じこもりや孤独感の解消などにつながり、認知症予防にも効果的と考えます。

そこで、多くの高齢者が気軽に利用できる本区独自の「聞こえを改善する機器の購入費助成」を実施すべきと考えます。

区長のご所見をお伺い致します。

【区長答弁】

国の「認知症施策 推進大綱」では、難聴は認知症の危険因子の一つとされています。

また、社会参加による社会的孤立の解消は、認知症の発症を遅らせる可能性があるともされています。

私は、加齢性難聴の高齢者が聞こえの改善に資する集音器などの機器を利用することは、認知症予防や生活の質の向上に一定の効果があると考えます。

議員ご提案の助成制度については、現在 策定中の「高齢者 保健福祉計画」において、検討して参ります。

以上で私の一般質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。