令和4年 第1回定例会 一般質問


 

 

台東区議会公明党の中沢史夫です。

新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。ご家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。

また、入院、宿泊療養、自宅療養、さらには新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しまれている皆様の一日も早い回復をお祈りするとともに、お見舞い申し上げます。

そして、医療従事者、エッセンシャルワーカーの皆様のご奮闘に衷心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

加えて、オミクロン株という、非常に感染力の強いウイルスにより、いつどこで感染するかわからない状況の中、感染予防に取り組み、制約ある日常生活を送られている区民の皆さまに感謝申し上げるとともに、

皆さまが安心安全に日常生活をおくることができるよう、区議会議員として、しっかり働いてまいります。

それでは、質問に入らせていただきます。

私からは大きく7問質問させて頂きます。

区長、教育長におかれましては、是非とも前向きなご答弁を宜しくお願い致します。

【質問】

最初に「高齢者のスマートフォン利用普及啓発事業」についてお伺い致します。

都は、行政手続きのデジタル化の推進とともに、

誰一人取り残すことのないデジタル社会の形成を目指し、デジタル技術を扱うことができる人とできない人との間に生じる格差(デジタルデバイド)の是正に取り組んでおり、この取り組みの一環として、教室形式の「スマートフォン体験会」と、操作方法に関する疑問等にお答えする「スマートフォン相談会」を開催しております。総務省の令和3年度のインターネット利用端末の種類では、スマートフォンが68.3% パソコンは50.4% タブレット型端末は24.1%となっております。

また、60歳以上のスマートフォン利用率は81.0%との調査結果も出ております。

台東区では現在、生涯学習課で区内在住、在勤の学生を除く15歳以上の方で、スマートフォンを利用したことがない方、または初心者を対象に、使い方を学ぶ講座を開催しています。この講座もとても良い取り組みですが、定員は12名と限られています。その他の課の講座も、定員や対象が限られていたり、単発だったりすることから、区民全体のデジタルデバイドの解消には相当な時間を要すると思われます。

そこで、台東区においても、デジタル化、オンライン申請、キャッシュレス決済等と進めていく中で、

ご高齢の方に、スマートフォンを利用して頂くためにも、地元地域で、少ない人数で、ご近所さんと、楽しく開催する等、きめ細やかな利用普及啓発事業を行う必要があると思います。この事業の担い手の確保、養成も含めて、今後どのように進めて行かれるのか、区長のご所見をお伺い致します。

【答弁】

中澤議員のご質問にお答えいたします。

ご質問の第一は、高齢者のスマートフォン利用促進に向けた普及啓発についてです。

社会全体でデジタル技術の活用が進む中、国は、デジタル社会の目指す将来像として、「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」を掲げています。

区においても、情報格差解消の重要性を認識しており、情報通信技術の活用能力などの違いにより生じるデジタル・ディバイド対策に取り組んでいます。

区では、これまでも、一部の部署でスマートフォンやオンライン会議ツールの使い方講座を実施しており、令和4年度からは、これらの取組みに加えて、高齢者をはじめ区民のデジタル活用に向けた支援を充実して参ります。

具体的には、スマートフォンなどのデジタル機器の操作方法や、電子申請、キャシュレス決済など各種サービスの利用方法を分かりやすく学んでいただけるよう、区の事業や町会の会合など様々な機会を捉え、支援員を派遣して講座を実施して参ります。

今後とも、デジタル機器やサービスをより身近に感じ、安心して利用していただきための支援策を適切に講じて参ります。

【質問】

2問目に、停電を想定した訓練についてお伺い致します。

発災後は、予想のつかない事態が発生するものです。

例えば、停電です。突然災害対策本部の電源が落ちてしまい、全ての電源が切れてしまった場合は、発電機や蓄電池等の非常用電源を活用すると思います。

非常用電源を活用した場合、全ての機材の電源を確保することは可能なのか、もしくは必要最低限の機材のみを稼働させるのか、その場合、必要最低限の機材で情報収集等が可能なのか、

また区保有の燃料電池自動車の給電器を活用した場合、その電気を活用して災害対策本部を運営していくうえで電源として、どこまで活用できるのか等さまざまな想定で訓練をしておくことも重要と考えます。

そこで、停電を想定した訓練を実施し、非常用電源の活用方法について、発災前から検証しておくことが重要と考えます。

区長のご所見をお伺い致します。

【答弁】

ご質問の第二は、停電を想定した訓練についてです。

東日本大震災や令和元年台風15号の教訓から、区では、災害時の停電への対応として、区役所の非常用発電機の増設や、リチウム蓄電池の導入など、非常用電源の確保に努めて参りました。

非常用電源の使用時には、災害対策本部で使用できる機器が限られることから、どのように本部機能を維持すべきかあらかじめ検証しておくことは大変重要です。

そのため、今後、区役所の停電を想定した訓練の実施に向けて検討を進めるとともに、併せて、区で保有する燃料電池自動車や災害協定により貸与される給電車両を用いた電源確保訓練にも取り組んで参ります。

【質問】

3問目にEVステーションの設置についてお伺い致します。

カーボンニュートラル脱炭素社会構築に向け、

様々な施策が打ち出されているところではありますが、EVやPHEV等、脱炭素社会を目指し、環境配慮に特化した車も増えて来ている状況です。

現在、区有施設では、区役所の地下にEVステーションが設置にされております。

当初設置場所の検討を重ねた結果、地上には設置スペースが難しく、地下駐車場内の設置を行ったと聞いております。

しかし、地下ですと、中々利用しづらい事が考えられます。

そこで、区内施設で改築や建て直し等を行う際に、

EVステーションなど脱炭素社会に向けて有効な施設を地上部分に積極的に設置を検討すべきと考えます。

EVステーションが設置されることにより、クルマを購入又は買い替える際に、EVやPHEV等の車種の選択が増え、区内全体のCO₂排出量の削減につながると考えます。

区長の御所見をお伺い致します。

【答弁】

ご質問の第三は、EVステーション、電気自動車の充電設備の設置についてです。

電気自動車は、走行中にCO2などの排気ガスを排出しないなど、地球温暖化対策に効果があり、その導入促進を図る上で、充電設備は、重要なインフラの一つであると認識をしています。

議員ご提案の充電設備の設置については、区有施設の状況や、駐車場の立地条件、収容台数などの課題があります。

現在、国では、民間事業者も含めた整備促進のための支援を行っており、引き続き、区内での整備状況を見ながら、区有施設への設置における課題について、検討して参ります。

【質問】

4問目に、3歳児健診で屈折検査を行うことについてお伺い致します。

弱視とは、日本弱視斜視学会によると、

視力は、ことばや歩行などと同じく、成長に伴ってだんだん獲得する能力です。

0歳では0.1ぐらいの視力しかなく、3歳ごろに大人と同じ視力に達するとされます。ただし、それを言葉に表現できるのは4歳ごろになります。

この視力の成長期に、何らかの邪魔が入って正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない状態を「弱視」と呼びます。

視力の成長は、他の成長と同じくいつかは止まり、

10歳頃までを過ぎると治療に反応しにくくなります。早期に治療を開始するほど、治療に反応して視力が改善していきます。とあります。

現在3歳児健診では、視力検査は行っておりますが、屈折検査は行っておりません。

厚生労働省は、子どもの50人に1人はいるとされる「弱視」の早期発見に向けて、市区町村が行う3歳児健康診査で、「屈折検査」と呼ばれる検査の導入を促す方針を決定しています。

屈折検査は、専用の検査機器の画面を数秒見るだけで、弱視の原因となる遠視や乱視などを判定できます。しかし検査機器の価格が1台約100万円に上り、3歳児健診に利用する市区町村は約3割にとどまっています。

そこで、厚労省は令和4年度、導入を希望する市区町村に対し、機器購入費の半額を補助する制度を創設するとしています。

若干繰り返しにはなりますが、

子どもの視力は成長とともに上がり、6~8歳までに決まるとしています。幼少期に強い遠視や乱視などがある場合、早期に治療を行わないと弱視になり、大人になって眼鏡をかけても十分な視力が得られないと言われています。

3歳児健診の視覚検査では、事前に各家庭で視力を調べ、問題があれば健診会場で医師らが検査することが多く。しかし、子どもでは自分の目の状態を正確に説明できなかったり、保護者が見逃したりする例があり、日本眼科医会が屈折検査の必要性を訴えています。

そこで、本区においても、3歳児健診に屈折検査を導入し、弱視の早期発見を行うべきと考えます。

区長の御所見をお伺い致します。

【答弁】

ご質問の第四は、3歳児健診で屈折検査を行うことについてです。

屈折検査は、弱視の早期発見に有効であり、早期治療につなげることができると認識をしています。

検査の導入にあたっては、健診にかかる時間の増加や、精密検査の実施体制などの課題もあることから、現在、他区の状況等について調査を行っています。

今後関係機関とも調整しながら、導入に向けて検討を進めて参ります。

 

【質問】

5問目は母子手帳アプリの導入についてお伺い致します。

国では「子ども・子育て支援新制度」をスタートさせ家庭や子どもに寄り添った総合的な子育て支援を推進しており、経済的な負担や不安、孤立感を和らげる地域社会のあり方が重要視されています。

こうした社会背景を受け、子育てしやすいまちづくりの支援策としてICTを活用した母子手帳アプリによる支援が、期待されています。

令和元年10月15日に内閣官房 日本経済再生総合事務局は、「子育てノンストップの実現に向けて」の中で、ICTを活用した子育て支援サービスの広がりとして、デジタルに慣れ親しんだ子育て世代において、日々の子育てを、ICTを活用して効率化・負担軽減する様々な子育て支援サービスの利用が進展。

特にスマホのアプリを活用して、これまで手書きで行ってきた記入・記録等の作業を効率化したり、子育てに必要な情報を簡単に入手できるサービスに注目。事務的な作業に掛かる手間や時間を削減し、子どもと向き合う時間や余裕を創出。とあります。

母子手帳をアプリにすることで、家族間で情報共有ができること、予防接種の管理ができること等多くの効果が見込めます。

またアプリはあくまでも、最新の情報を得ることや、今までの記録を手元の端末ですぐに確認できるツールとしての活用で、従来の母子手帳の替わりにすることではないとする使い方もあります。

区として、母子手帳アプリを導入すべきと考えます。区長のご所見をお伺い致します。

【答弁】

ご質問の第五は、母子手帳アプリの導入についてです。

このアプリは、母子健康手帳と同様のデータを保存できるほか、自治体からの最新情報の配信などの機能を有するものであると認識をしています。

現在、区では、予防接種のスケジュールを管理できる「ワクチン・ナビ」や「たいとう子育てメールマガジン」などで健診や子育てに関する情報を発信しており、多くの方に利用していただいています。

母子の健康や子育てに関する情報の記録や保存、発信のための手法については、日進月歩で様々なツールが開発されています。

また、国では、健診情報の電子的な管理や利用が進められる中で、母子健康手帳についても議論されていることから、アプリの導入については、多方面からの検討が必要であると考えています。

今後も、国の動向に注視し、検討を進めて参ります。

 

【質問】

6点目は、高校3年生までの医療費無償化についてお伺い致します。

都内では子供の入院や通院にかかる医療費の公費助成が進んでいます。23区では、全ての区で中学3年生(15歳に到達した日の属する年度末)まで、所得制限なしで無料としており、多摩地域などの多くの市町村は、中学3年生までの入院が無料で、通院は受診1回あたり200円の自己負担としています。このほかに全国に目を向ければ、対象を高校3年生(18歳に到達した日の属する年度末)まで広げている自治体が増加しており、最近では、神戸市が昨年10月から「こども医療費助成制度」を変更し、従前の中学3年生までの医療費無料化を高校3年生まで拡充しております。

さて、高校生は活動範囲が広がりケガや病気のリスクが高まる一方、家計は進学など教育費もかさみ、新型コロナウイルスの蔓延や景気の足踏み・低迷による家計がひっ迫する中、医療機関の受診を抑制する高校生もおります。この国やこの地域の未来を託す子供たちから受診機会を奪ってはならないと懸念しております。

台東区は平成17年より中学3年生までの医療費無償化を23区では初めて、また一部地域を除いては全国初の取り組みであったと聞いております。

現行制度と変わらず、所得制限を設けずに、高校3年生まで医療費無償化を実施すべく、区長のご所見、ご英断をお願いし、ご所見をお伺い致します。

【答弁】

ご質問の第六は、高校三年生までの医療費無償化についてです。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響等により、子育て世代の家計は、依然として厳しい状況にあると認識をしています。

区では他区に先駆けて、中学校三年生までの児童を対象に医療費及び入院時の食料療養費の助成を行って参りました。

18歳までの医療費助成については、東京都の新年度予算に区市町村への補助経費が計上されています。

本区としては、今後、都と協議を進めながら医療費助成の対象拡大について検討して参ります。

 

【質問】

最後に、入学資金融資あっせんについてお伺い致します。

江戸川区では、お子様が私立校へ進学、または海外留学される際の入学手続時に必要な資金を、区内の信用金庫から低利で借りられるように、融資あっせん制度を実施しています。

保護者の皆様の負担を軽減するため、利子の一部を助成するとともに、信用保証料の全額を負担するとしています。

この制度は昭和55年から開始しており、現在も継続している制度です。

融資内容は、私立の高等学校、高等専門学校、短期大学、大学等

融資額は高校等は10万円から100万円以内、大学等は10万円以上200万円以内、利率は令和3年4月1日現在で年1.7% 本人負担0・5%

返済期間は6年以内となっています。

令和3年度の予算は約591万円とのことでした。

東京都では、私立高校無償化が実施されていますが、所得制限があり、全員が対象にはなっておらず、家計の過重な負担が懸念されます。

また、国の教育ローンがありますが、やはり所得制限等があり、借入できない場合は、金利等家計の負担が増しますが、民間金融機関の教育ローンを活用することになります。

そこで、台東区としても、信用金庫から低利で借りられるように、融資あっせん制度を設け、子ども達が将来の夢に向かって安心して学んでいけるようサポートを行うことが大切と考えます。

教育長のご所見をお伺い致します。

以上で質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

【答弁】

入学資金融資あっせんについて

中澤議員の入学資金融資あっせんについてのご質問にお答えさせていただきます。

議員ご指摘のとおり、他区において、入学資金等の融資あっせん制度があることは認識をしております。

しかしながら、高等学校の授業料の実質無償化が進んだことにより、融資あっせん制度の利用者が少なくなったことから制度を終了した区もあると伺っております。

教育委員会といたしましては、子供たちが将来の夢に向かって安心して学ぶことが出来るよう支援等について、国や都、他自治体等の動向を注視してまいります。