平成30年第1回定例会 予算特別委員会 総括質問


区議会公明党の中澤史夫です。

総括質問させて頂きます。
私からは、大きく6点質問させて頂きます。

はじめに、マイナポータルについて、2点お伺い致します。
1点目にマイナポータルの周知についてお伺い致します。
私が区議会議員として、初めての一般質問の時に「マイナポータル」について、質問をさせて頂きました。
「マイナポータル」については、その時点では、国の検討の詳細が明らかになっていませんでしたが、平成29年11月2日に総務省と内閣府が連名で報道発表を行っております。
それによると、平成29年11月13日より「マイナポータル」の本格運用を開始するとともに、「子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)」の「サービス検索機能」とLINE株式会社が提供するコミュニケーションアプリ「LINE」との連携について、平成29年11月7日から運用を開始するとのことでした。
「ぴったりサービス」は、子育てに関する手続をはじめとした、さまざまな申請や届出を地域別に検索し、その詳細を確認することができるサービスであり、一部の手続きにおいて、オンライン上で申請を完了できるほか、申請書を作成し印刷することができるものです。
また、「LINE」のマイナポータル公式アカウントをお友達登録することで、公式アカウントと対話をしながら、「ぴったりサービス」から該当する手続の検索を行うこともできます。
このように国における「マイナポータル」の整備は、順次拡大しているところです。
予算特別委員会の質疑において、区では「ぴったりサービス」により、14の手続きで申請書の作成と印刷が行えるとの答弁がありました。
また、電子申請を行わず、申請書の作成と印刷の際には、「マイナンバーカード」は、不要であるとも聞いています。
加えて、「ぴったりサービス」と「LINE」との連携については、「LINE」に個人情報を入力する必要がなく手続きの検索が行え、安全性も高いとも聞いています。
このような状況を含めて、「マイナポータル」に関する区民の方々への周知などはどのように行っていくのか、区長のご所見をお伺い致します。

2点目にマイナポータルでの電子申請サービスの活用についてお伺い致します。
マイナポータルによる電子申請の実施により、今後様々な手続きにおいて区民の利便性が向上すると考えられます。
他自治体では、妊娠の届け出など、既に電子申請を活用しているところもありますが、台東区として今後どのようなサービスを行っていくのか、区長のご所見をお伺い致します。

◇区長答弁
中澤委員のご質問にお答えいたします。
まず、マイナポータルの周知についてです。
マイナポータルの運用開始以降、国は、新聞やテレビなど、様々な媒体で広報を行っており、区においても、マイナンバーカード交付の際に、リーフレットを配布するなど、周知に努めています。
委員ご指摘のとおり、マイナポータルの機能拡大に伴い、区民への適切な周知が重要であると認識をしており、引き続き、啓発に努めて参ります。
次に、マイナポータルの活用についてです。
区では、現在、妊娠届や児童手当の認定請求など、子育てに関する一部の手続きで、「ぴったりサービス」を活用しています。
このサービスにより、マイナンバーカードをお持ちでない方も、マイナポータルによる申請書の作成と印刷が可能をなっています。
電子申請の導入については、区民の利便性向上の観点から、他自治体の動向を注視しながら、引き続き、検討を進めて参ります。

次に災害対策について2点お伺い致します。
1点目に水害についてお伺い致します。
私は、平成27年9月に公明党東京都本部大規模水害対策プロジェクトチームの一員として、首都圏外郭放水路の視察などに参加させて頂きました。
また、平成27年11月には、会派で、荒川下流河川事務所・荒川治水資料館また災害対策室も視察させて頂きました。
この視察で、荒川氾濫が起きた場合、特に地下鉄ですが、堤防決壊後約10分で南北線赤羽岩淵駅から水が流入し、24時間後には台東区内の日比谷線並びに銀座線、大江戸線、つくばエクスプレスの地下鉄駅施設内またはトンネルの上部にまで、水が達する調査報告が平成22年4月 中央防災会議で発表されています。
また資料館では、浅草周辺での浸水のシミュレーションの映像も放映されており、内容から想定される状況は、地下駐車場は全く埋もれてしまい、車椅子、ベビーカー、高齢者や小さな子ども達は、移動が困難ではないか、と感じました。
その後、公明党東京都本部大規模水害対策プロジェクトチームは、意見をまとめ、台東区議会公明党として「荒川下流タイムラインを下流関連自治体へ拡大」との意見を盛り込み、平成28年2月に、国交大臣に緊急提言の申し入れを行いました。
その後、平成28年3月には、北区・板橋区・足立区の3区をモデルエリアとした荒川下流タイムライン試行版が公表・運用され、9月には、浸水被害が想定される全16区市に対象を拡大した荒川下流タイムライン専門部会が開催され、本区も出席していると思います。
台東区のおいての水害対策は、水害ハザードマップによると、内水氾濫の場合、最も深い浸水は2メートル程度とされ、数時間で水が引くことが、想定されており、頑強な2階以上の自宅や建物に避難する、垂直避難を行うとしています。
一方、荒川の氾濫の場合、最も深い浸水は5メートル程度となり、その状況が2週間以上続くことが想定され、高所避難では、孤立してしまい、救援物資を届ける事や、その場所から移動する事もままならない状況になるため、マンションの高層部にお住いの方も上野公園や谷中墓地に避難する、水平避難を行うとしています。
このように、状況により、避難方法が異なる事は、昨年配布された、この水害ハザードマップに詳しく掲載されてはおりますが、周知は十分されているのでしょうか。
区民の生活を守るため、様々想定できる事について、対応を考えていくことは、非常に重要と考えます。
水害発生時の対応については、これから大規模・広域避難の検討を行うとの事ですが、区の今後の取り組みについて、区長のご所見をお伺い致します。
2点目に「台東区防災アプリ」につてお伺い致します。
3月1日より「東京都防災アプリ」が配信されております。この
中の防災マップが「近くの避難場所はどこ?」のオンラインマップ、「電波がなくても大丈夫!」のオフラインマップ、そして、位置情報を使い近くの避難所や災害時帰宅支援ステーションまでのルート検索ができ、また「今いる場所の危険度は?」の地域危険度マップがあるなど、非常に利便性の高いアプリとなっております。
この「東京都防災アプリ」と連携することで、区民の利便性が高まると感じますが、区長のご所見をお伺い致します。

◇区長答弁
ご質問にお答えいたします。
まず、水害についてです。
水害対策については、近年の気象状況の変化により、河川の氾濫等が各地で多発していることから、その対策は重要であると考えています。
区では、平成28年5月に国が公表した、荒川の浸水想定区域に基づく水害ハザードマップを今年度作成し、区内全世帯に配布することにより、周知に努めているところです。
また、広域避難の対策としては、災害時の相互支援協定を特別区間で締結し、被災者の受入等、相互に協力することとしています。
大規模・広域避難については、国が中心となり、避難時期や避難方法の考え方について、現在検討している状況です。
今後とも、国や都の動向を踏まえ、周辺自治体等と連携、協議を行い、広域避難対策について検討を進めて参ります。
次に、台東防災アプリについてです。
台東防災アプリは、災害発生時に必要な避難所等の開設状況や避難勧告などの情報が、瞬時に取得できるアプリとなっています。
一方、東京都防災アプリでは、平時から活用できる防災の基礎知識や発災時の行動、事前の防災対策を学べる機能が充実していることから、各アプリの特性を踏まえ、双方を利用していただくことが有効と考えています。
現在も、台東防災アプリから都防災ホームページへ直接アクセス可能となっていますが、今後はよりわかりやすく繋がる手段を検討し、利便性の向上に取り組んで参ります。

3点目に障害児者見守りレスパイト事業についてお伺い致します。
現在、障害者ディサービスは、満18歳以上の心身障害者の方に対し、日中活動の場の提供を行い、理学療法などの各種療法や創作・レクリエーション活動を通して社会経験を積み、自立生活の維持・促進を図っております。
また、日中一時支援事業は、一時的に見守り等の支援が必要な障害のある方等に対し、活動の場を提供しています。
放課後支援型は身体障害者手帳又は愛の手帳を所持する高校生で、放課後の見守りが必要な方。
医療的ケア支援型は身体障害者手帳を所持する高校生以上で、医療的ケアが必要な方となっており、全て、施設に移動をして支援を受ける事業となっています。
30年度4月から、医療的ケアが必要な方には、「重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業」がご自宅で受けられる事業となっており、実施されます。
一方、医療的ケアを必要とされない方が、ご自宅で、施設に移動をせずに、見守り支援を受けられる事業を、区として行っていく事も考えてはいかがでしょうか。
ご自宅にて、数時間一緒に過ごしながら、見守りを行って頂き、その時間帯で、日常的に介護をしているご家族の一時的な休息を目的とする事業も非常に重要と考えます、
区長のご所見をお伺い致します。

◇区長答弁
ご質問にお答えいたします。
見守りの必要な障害児(者)が在宅生活を送る上で、常時ケアをしている保護者や家族に対し、一時の休息をとる機会を設けることは重要であると認識をしています。
そのため、本年4月から「重症心身障害児(者)等在宅レスパイト」を新たに実施し、医療的ケアが必要な在宅の障害児(者)の見守りを行うことで、本人はもとより、保護者や家族を支援して参ります。
委員ご提案の医療的ケアを必要としない障害児(者)の見守りレスパイトについては、サービス提供事業者の確保など、解決すべき課題がありますので、他自治体の取り組み状況や、国・都の動向を注視しつつ、研究して参ります。

4点目に、医薬品について2点お伺い致します。
1点目に睡眠薬等の適正使用の周知についてお伺い致します。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬の適正使用推進についてお伺い致します。
ストレス社会ともいわれる現代社会において、不眠の訴えをもつ人は年々増加しており、日本人成人の3人に1人が何らかの不眠の症状を感じていると報告されています。
またその影響から、睡眠薬(向精神薬)の処方は増加傾向にあり、若い方からご年配の方まで幅広い年齢層の方が薬を服用されている状況です。
このような現状を踏まえて、睡眠薬(向精神薬)の適正使用について質問させて頂きます。
2015年に行われた睡眠薬の実態調査によると、処方されている睡眠薬の78.3%がベンゾジアゼピン系睡眠薬であると報告されています。
一方、この系統の薬剤は、睡眠導入作用や抗不安効果、鎮静作用が期待できる一方で、連用による薬物依存や離脱症状、転倒、認知機能障害などの副作用などが問題視されています。
このような流れを受けて、本年4月に予定されている診療報酬改定でも、ベンゾジアゼピン系薬剤の適正使用に向けて規制が進む予定になっております。
また、好ましくない事象の報告も多くあり、第2回高齢者医薬品適正使用検討会においては、高齢者にベンゾジアゼピン系薬剤を使用すると、転倒リスク2.6倍、認知機能障害リスク4.8倍、骨折リスク1.6倍、交通事故リスク2.2倍増加することが報告されています。
このような事情を踏まえ、諸外国ではベンゾジアゼピン系薬剤の処方制限や保険給付制限なども行われているようです。
日本においても昨年の平成29年3月21日に厚生労働省より、都道府県、保健所設置市、特別区宛てに、ベンゾジアゼピン系薬剤の使用上注意の周知依頼の通知が出されております。
つきましては、4月の診療報酬改定を受けて、改めて、医師会および薬剤師会他、医師、薬剤師にこの3月21日の厚労省の通知の内容については再度周知をしてはいかがでしょうか。
区長のご所見をお伺い致します。
2点目に、薬の適正使用の周知についてお伺い致します。
今後区民の方々にも、薬の適正使用の啓発を、メールマガジン「たいとうヘルスケアニュース」や「広報 たいとう」等を活用し周知していくことが必要と感じます。
区長のご所見をお伺いいたします。

◇区長答弁
ご質問にお答えいたします。
まず、睡眠薬等の、適正使用の周知についてです。
区では、薬事に関する国からの通知については、医師会、薬剤師会に迅速に情報提供するとともに、区公式ホームページに掲載し、周知に努めているところです。
委員ご指摘の睡眠薬等の使用上の注意の周知についても、重要であると認識をしていますので、医師や薬剤師へ配布している「台東区 医療安全ニュース」により改めて周知を徹底して参ります。
次に、薬の適正使用の啓発についてです。
区民が適正に薬を使用するためには、医師、薬剤師による指導とともに、区からの啓発も大切です。
区はこれまでも、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師を持つことを推奨してきたほか、消費生活展等でリーフレットによる啓発を行っております。今後、「たいとうヘルスケアニュース」、「広報たいとう」等も活用し、更なる啓発に努めて参ります。

5点目に、水素を燃料とする燃料電池自動車の活用について2点お伺い致します。
1点目に、水素エネルギーの普及啓発についてお伺い致します。
水素社会の実現に向けた取組について、経済産業省は平成29年4月に、運輸分野において燃料電池自動車は2020年東京オリンピック・パラリンピック大会で、水素の可能性を世界に発信すべく、燃料電池自動車4万台、水素ステーションは地方中核都市で160箇所整備、2025年には燃料電池自動車20万台、水素ステーションは全国展開で320箇所整備、2030年には、燃料電池自動車80万台、水素ステーションは自立的拡大していくことを取りまとめております。
また昨年の平成29年3月から、都営バスで燃料電池バスも運行が開始されております。
皆さまもご存知のように、燃料電池自動車は燃料となる水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくる「燃料電池」を搭載し、モーターで走行する車です。
ガソリン車よりも、エネルギー効率が高く、走行時にはCo2を排出しないクリーンなエネルギーとして、環境に良いとされております。
現在台東区で保有している燃料電池自動車の活用は、環境に優しい事で、イベントや普段は公用車として活用しております。
水素エネルギーの普及啓発を、区が所有する燃料電池自動車の活用も含め今後どのように進めていかれるのでしょうか、区長のご所見をお伺い致します
二点目に、災害発生時における活用についてお伺い致します
燃料電池自動車は、電気自動車と同様に発電した電力を外部に供給することも可能です。水素タンクを持っているので、電気自動車に比べて5倍以上の供給能力があり、災害時等の非常時における避難所への電力供給などの活用も期待されております。
そこで、大容量外部電池供給システムを活用した、災害発生時の電源供給の1つとして、活用してはどうでしょうか。
車体には、アクセサリーコンセントが2箇所あり、合計1500Wまで、直接電化製品に給電することができます。
また可搬型給電器を用意することで、1500wが3口合計4500w分を給電することができます。
車自体からの供給可能な電力量は約60kWhであり、4人家庭での1日当たりの電気使用量は平均18.5kWhとすると、約3日分の電気を供給することが出来ます。
災害発生時、燃料電池自動車を一時的ではありますが、電源として活用することが出来ます。
また、防災フェアや、防災訓練などで、燃料電池自動車から電源を取り、照明やパソコンなどにつないで電源として活用できることを、区民の皆さまに知っていただくことも必要だと考えます。
是非、コンパクトで、車のトランクに収納ができる、可搬型給電器を購入し災害時に活用してはいかがでしょうか、
区長のご所見をお伺い致します。

◇区長答弁
ご質問にお答えいたします。
まず、水素エネルギーの普及啓発についてです。
低炭素社会の実現に向け、CO2を排出しない水素エネルギーの利用を促進することは、重要であると認識をしています。
そのため、区は、都、区市町村、民間団体などで構成する「Tokyo スイソ 推進チーム」の一員として、ツイッター、ホームページを活用した情報発信を行っています。
今後も、ふれあい館まつりなどの環境イベントにおいて、区の所有する燃料電池自動車も活用し、水素エネルギーに関するパネル展示、環境学習などを通じて積極的に普及啓発を図って参ります。
次に、災害時の活用についてです。
災害発生時は、電気が使用できない状況が想定されるため、区では、避難所などに、発電機や太陽光パネル付きのポータブル蓄電池を備蓄しています。
また、燃料確保のため、東京都石油商業組合と「災害時における石油類等の供給に関する協定」を締結するなど、電量等の確保に努めているところです。
委員ご提案の、区所有の燃料電池自動車の活用については、発災時の燃料確保の課題などもありますが、電力確保の様々な手段のひとつとして活用方法を研究して参ります。

最後に、バリアフリーマップについて、2点お伺い致します。
1点目に、現在「バリアフリーマップ」は、2015年に掲載され、更新を重ね現在169箇所の整備について掲載されております。
しかし、「バリアフリーマップ」はパソコンで確認するには見やすいのですが、外出先でまたは、台東区を訪れた方が使う場合の使い勝手を考えるとまだ十分だとは思えません。そこで、スマートフォンで便利に使用できるように、することも大切だと思います。また位置情報も活用し、今いる場所から、近くの「だれでもトイレ」や「おむつ替え台」など知ることができれば、利便性も高くなると思います。
バリアフリーマップのスマートフォン対応に変えるべきと考えますが、区長のご所見をお伺い致します。
2点目に今後、商業施設の情報は掲載されておりますが、バリアフリー対応をされ、マップに登録をして頂ける、飲食店や物品の販売店などの、お店の情報も更に加えて頂き、より使い勝手の良いバリアフリーマップに発展させて行くことも重要と考えますが、区長のご所見をお伺い致します。

◇区長答弁
ご質問にお答えいたします。
まず、バリアフリーマップのスマートフォン対応についてです。
バリアフリーマップは、高齢者や障害者、子育て中の方などが安心して外出できるよう、区内の公共施設や駅などのバリアフリー情報をまとめたもので、平成27年度から区公式ホームページに掲載しています。
委員ご提案のスマートフォン対応と位置情報を活用した施設検索については重要であると認識しており、早期に導入を進めて参ります。
次に、店舗情報の追加についてです。
バリアフリーに対応した店舗を数多く掲載することも重要であると認識をしています。
今後、事業者の協力を得ながら更なる情報の収集に取り組み、バリアフリーマップの利便性向上に努めて参ります。

以上で、私の総括質問を終わらせて頂きます。ありがとうございました。