予算特別委員会 総括質問


予算特別委員会 総括質問

◇質問 ◯答弁
区議会公明党の中澤史夫です。
台東区発足70周年の佳節に区議会議員として区政に携わらせて頂いていることに感謝を致します。また議員3年目となる平成29年度も区民の皆様のため働いていく事を決意し、質問に入ります。
私からは4点にわたり質問させていただきます。

◇はじめに、災害時用埋設型組立式トイレについてお伺い致します。
台東区内では金竜小学校と千束公園の2箇所に災害時用埋設型組立式トイレを設置しております。
定期的に掘り出し、点検をしております、私も一度金竜小学校での点検に立ち合わせていただいた事があります。
ここにはトイレが4台分、収納してあり、組立てには約1時間半程度かかったと思います。使い方は、機材が収納してある部分がプール状になっており、そこに排泄物が溜まり、バキューム車で回収するようになっています。
実際の災害時には簡易トイレ、マンホール用トイレ、マンホール用簡易トイレ、マンホール用小便トイレを活用し、簡易トイレの非常用排便収納袋の不足や下水道の不備が発生した場合に、この災害時用埋設型組立式トイレを活用する事になります。
そこで、この埋設型のトイレは衛生面や安全面に問題はないのでしょうか、回収・処理はどのように考えているのでしょうか。
必要な時は職員が組立て設置を行うとの事ですが、緊急時の体制は整っているのでしょうか、職員に対して設置訓練は行っているのでしょうか。
また設置されている地域の皆様には、どの様なタイミングで、誰が設置するのか等、十分な周知がなされているのでしょうか。
新しいタイプの埋設型組立式トイレはないのでしょうか。
毎年、保守委託点検のための経費がかかっておりますが、引続き維持されていくのでしょうか、
区長のご所見をお伺い致します。

◯中澤委員のご質問にお答えいたします。
まず、災害時用 埋設型組立式トイレの衛生面、安全面の対応についてです。
埋設トイレは、各部材や貯留槽の点検と清掃などにより、毎年、安全面等の確認を行っています。
また、災害時に活用する際には、定期的に排泄物を回収することにより、衛生的に利用することができます。
次に、職員に対する設置訓練についてです。
発災した際には、速やかに設置できるよう、毎年の点検時に、職員が立ち会うこととしており、掘り起こしから設置までの一連の流れを確認しています。
次に、活用方法の周知についてです。
区では、災害発生直後は、簡易トイレを使用し、その後、状況に応じて、職員が地域の方と協力して、埋設トイレを設置していくことを想定しています。
周辺の町会の方には、点検の際に、設置方法について説明しているところですが、今後、設置のタイミングなど、活用方法についても、周知に努めて参ります。
次に、今後の方向性についてです。
災害時にはトイレの確保が重要であり、区ではこれまで、状況に応じた対応ができるよう、様々な形態の災害用トイレを準備して参りました。
埋設型 組立式トイレについても、その一つとして、引き続き活用していきたいと考えています。

◇次にAEDについて2点お伺い致します。
まず1点目は普及啓発について伺います。
台東区内で区有施設においての設置場所は111ヶ所、その内24時間対応できる場所は9ヶ所であり、また民間での掲載協力施設として登録をいただいている設置場所は、 214施設となります。
東京消防庁の昨年の9月の資料によると
AEDの普及により、救命効果が向上する一方で、AEDを操作できるバイスタンダー、バイスタンダーとは、救急現場に居合わせた人で、発見者や同伴者等の事をいうそうです。このAEDを操作できるバイスタンダーの育成が課題であるとの指摘があります。
このバイスタンダーが電気ショックによる除細動、いわゆるAEDを実施した事で心拍再開割合は6割を超えています、今後も「自動体外式除細動器いわゆるAEDの普及により救命効果の向上が期待される」と書かれています。
しかし、東京消防庁管内において、実際に心肺停止傷病者に対する、胸骨圧迫や人工呼吸、AEDによる除細動を行う応急手当実施率は、上昇傾向にあるものの目標としている50%にはとどかない状況です。
特に、全心停止事案の発生場所の約8割を占めている住宅及び住宅周辺においては、応急手当の実施数が30%に満たない状況となっています。
また発生場所を住宅及び住宅周辺、事業所等、その他の3つに分類すると、事業所等での応急手当実施率は住宅及び住宅周辺の2.3倍となっており、住宅及び住宅周辺での応急手当実施率については、昨年と比べて上昇はみられるものの、まだまだ事業所等での実施率と比べると低い状況が続いています。
救命効果の向上を図るためには、特に住宅及び住宅周辺でのAEDを操作できるバイスタンダーの育成が課題であります。
報告資料の中で、都民等が心停止の発症を目撃した傷病者は4,522人で、そのうちバイスタンダーによる、人工呼吸・胸骨圧迫・AED等による除細動処置に限定した応急手当を行なった実施数は1,863人、全体の41.2%。このうち救急隊が医療機関に傷病者を収容するまでに呼吸又は脈が回復した傷病者は532人・28.6%。その後1ヶ月生存者数は301人・16.2%と、結果的にAEDなどによる応急手当がなかった場合に比べると、大きな差がでています。
そして、AEDによる救命効果としては、年々、除細動実施件数が増加するとともに、心拍の回復する件数も増えているデータも出でいます。
東京消防庁の資料によると心停止した傷病者を救命するためには、「心停止の予防」「心停止の早期認識と通報」「早い心肺蘇生とAED」「救急隊や病院での処置」の4つが連続して行われることが必要であり、この4つのうちどれか一つでも途切れてしまえば、救命効果は低下することからも、AEDの重要性を訴えております。
その意味で、AEDの効果を考えると、AEDを操作できるバイスタンダーの育成と、AEDの掲載協力施設をどう増やしていくのかという点も、重要であると考えます。
またAEDを使用した後は、パットとバッテリーは交換しなくてはなりません、リース契約でしたら交換時にかかる経費はリース料金の中に含まれていますが、購入した場合、AED使用後は実費としてパットが約9,000円、バッテリーが約30,000円、合計約40,000円程度の経費をかけて再設置することになります。
今後、このかかる経費に対して区内で使用した場合には区として補助をすれば、いざという時、協力してくださった方にとって有効であると考えます。
AEDの設置場所は、およそ300メートル毎に設置されていると、早足で取りに行けば、現場のどこからでも1分以内でAEDが届き、5分以内に除細動が開始可能になるとの基準があります。

今後、区内のAEDが設置されている、掲載協力施設へ登録をして頂けるよう要請を行なっていくとの事ですが、地域によっては設置場所が少ないところもあります。新規にAEDの設置のお願いをする場合には区として補助を行うことなど視野に入れた対応も必要になるのではないかと考えます。
そこで本区においてはこれまで、区民に向けて救急救命の講習会受講のお知らせなどを行なっておりますが、先程も紹介したように、AEDを操作できるバイスタンダーの育成が課題であるとの指摘があります。
この課題について、今後どのように取り組んでいくのでしょうか、お伺い致します。
2点目にAEDマップについて伺います。
現在は「たいとうマップ」に24時間対応可能な区施設・協力施設、利用時間制限有の区施設・協力施設の4種類を色と形を変えたマークで表示しています。
この情報を得る方法は、区のホームページから「たいとうマップ」を選び、AEDマップを選択、同意を選択して台東区全域のマップが表示され、見たい地域をクリックして拡大表示されて、AED設置場所を探す、という作業が必要になります。
これがアプリにした場合、アイコンを選択、AEDを選択およそ2回程度の選択で、しかも設定によっては、現在自分がいる場所を中心に、AED設置場所を速やかに探すことができます。
そこで、緊急の時に、「AEDマップ」をアプリにすることにより確実に利便性が高くなり、しいては救命率が上がる可能性も高くなります。
是非アプリを導入してはいかがでしょうか。
以上2点について区長のご所見をお伺い致します。

◯ご質問にお答えいたします。
まず、応急手当を適切に行える人材の育成についてです。
委員ご指摘のとおり、心停止した傷病者を救命するためには、AEDの使用だけではなく、応急手当てに関する知識の向上が重要であると認識をしております。
区ではこれまで、区公式ホームページに救命救急講習についての情報を掲載するほか、全職員や全委託業者に対して講習会を行って参りました。
今後は、広報たいとう や リーフレット等により、応急手当の重要性や救命講習についての情報提供をさらに充実させるとともに、9月9日の「救急の日」など様々な機会を捉え、消防署との連携のもと、人材育成に努めて参ります。
次に、AEDマップのアプリについてです。
現在、区公式ホームページに掲載の「たいとうマップ」においては、「AEDマップ」を随時更新し、ご利用いただいております。
私は、AEDの設置場所についての情報がより早く確認できることは、大変重要であると認識をしております。
委員ご提案の趣旨を踏まえ、今後、「AEDマップ」については、利便性の向上が図れるよう検討して参ります。

◇3点目に行政の効果的な掲示方法についてお伺い致します。
公共の掲示物について街の方からご意見を頂きました。掲示の仕方が、古い掲示板の上に重ねられていて、汚らしさが目に付いてしまう、街の品格が問われるとの率直なご意見でした。
区内を歩いていると駐輪禁止などの注意喚起を促すバリケードが歩道に置かれているのをよく見かけます。それ自体があまり街に溶け込んでいるとは思えませんが、特に駅周辺では、そのバリケードに目的以外の内容の掲示物が貼られた物も見受けられ、バリケードの注意喚起の内容や新たに貼った掲示物の内容が伝わりにくく、また見た目も良くないと思います。
駅前は、区の顔です。初めて台東区を訪れた方が最初に目にする光景で台東区の印象を決めるといっても過言ではないと考えます。台東区はこれから2020年に向けて、国内外から多くに来街者がお見えになります。
その方々が、台東区にお越しになった時、きれいな、安心安全な街として第一印象を持ち、台東区の街を堪能していただく。そのためには、先ずは、行政から見本を示していく事が大切だと思います。
放置自転車対策を進める上では、駐輪禁止等の掲示を貼付することは理解しておりますし、このような掲示板が無いとさらに放置自転車が増えてしまうことも分かっています。そこで区長にお伺い致します。
まずは、駅前の放置対策に関する看板の掲示方法について工夫し、来街者や区民にとって分かりやすく効果的な掲示にすべきと考えますがいかがでしょうか。
区長のご所見をお伺い致します。台東区には様々な掲示物がありますので、その点も含めてお伺い致します。

◯ご質問にお答えいたします。
区の放置自転車対策に関する掲示については、委員ご指摘のとおり、重なり合って、それぞれの内容がわかりにくいものもあります。
今後は、放置自転車対策を進め、自転車が放置されない環境を作るとともに、掲示方法について他区の事例も参考にしながら検討して参ります。
区の掲示物は、行政情報を広く区民や来街者に発信する重要な役割があるため、より一層、効果的かつ わかりやすい掲示に努めて参ります。

◇最後に小中学校における障害に対する理解の促進についてお伺い致します。
平成28年4月に国では「障害者差別解消法」が成立、制定されました。
本区は第5期障害者福祉計画の改定に向けて平成28年9月に障害者実態調査を行いました。この調査結果から「障害に対する理解の促進」が進んでいないとの結果が見えてまいりました。
昨年、事業者向けの理解促進のため、「障害者差別解消法」に関わる講習会を開催致しました。今後は区民の方に向けての講習会を行う予定になっている事は承知致しております。
さて、学校教育の中で障害のあるなしにかかわらず「共に生きる」事は大変意義深いものと考えております。子どもの頃から障害について学ぶ、また個人個人を尊重し合い、思いやりを持って「共に生きる」ことを学ぶことで「差別」と言う事も解消されていくのではないでしょうか。

本区においてアイマスク体験や車いす体験などを通して、障害に対する理解を促進する教育を行っている学校があると聞いております。
「障害に対する理解」は自分と他者の違いを認め合うという、人間教育の原点とも言える重要な教育であります。
区役所1階で行われている、アイマスク体験に参加した事があります。体験した事で、私は実際に駅の改札で困っている白杖を持った方に、迷うことなく、声を掛けてサポートする事が出来ました。
そこで「障害に対する理解」を広げるためにも、是非、他の学校でもアイマスク体験や車いす体験など実施していくべきと考えます。
教育長のご所見をお伺い致します。

教育長答弁
◯ご質問にお答えさせていただきます。
障害に対する正しい理解を深め、互いに支え合う共生社会の実現のために、小・中学校において障害にある方に対する理解を促進し、偏見や差別をなくすための教育を行うことは重要なことであると認識いたしております。
現在、小学校では総合的な学習の時間などで障害のある方との交流、アイマスクや車いす体験などの体験活動を中心とした指導を実施しております。また、中学校では障害者施設での職場体験や道徳の時間などでオリンピック・パラリンピック教育と関連づけて障害についての理解を深める学習を進めているところでございます。
今後も体験的な活動を実施している学校の取り組みを研修会等で紹介し、全校実施に努めることにより、障害のある方と共生社会の実現に向けた教育を推進してまいります。

2020年に向けて、障害のある方だけではなく、高齢の来街者も多くなると思います。サポートの方法等、自分たちが出来ることを知ることは大切なことです。
その意味でも是非取り組みをお願い致します。

以上で総括質問を終了致します。
ご清聴ありがとうございました。